2005年04月28日

「キャッチボール」西山正義

「マイ ブック」では、短説が好評なので、気をよくして数回にわたり短説特集をしてみます。
先に「柵を越えて」(金子敏)を記事にした時に案内しました「短説の会オフィシャルホームページ」を作っている西山正義さんの作品を紹介します。
西山さんはいろいろな種類の作品を書いているのですが、僕が特に好きなのは「キャッチボール」に代表される家族モノです。文章が自然ですし、何よりも「愛」があります。
文学作品に「愛」があることは当然のような気がしますが、実際には現在の消費型文学世界は、「愛」のない作品で溢れています。そんな日本の文学世界の中にあって、作者の家族モノの短説には確かな存在感を感じるのです。
キャッチボール

西山さん短説は、西山さんと向山さん(次回作品を紹介します)のホームページ「西向の山」で読むことができます。短説以外にも小説など内容盛りだくさんのホームページです。
特に僕の好きな作品は「子どもをめぐる短説」のコーナーに集まっています。
「西向の山」


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2005年04月27日

「移ろいの風景論」「豚と福音」

先に皆さんからのお薦めで紹介した「日本の景観」が抜群に面白いので、味をしめてまたまたコメントで紹介された本の案内です。
「移ろいの風景論−五感・ことば・天気−」(小林亨)の方は、コメントの中でmizdesignさんが『小林亨さんの本が出版されているのですね、初めて知りました。和歌や浮世絵を題材にとって雨、風といった自然要素を抽出、最終的には建築的演出に結びつけることを目的とした研究(実際には基礎的研究で終わるのですが)をされている方です。僕は卒論で小林亨さんの論文(特に心情投影効果に関する記述)を大いに参考にさせてもらったので思い出深いです』と書かれています。
『柏をたのしむ@水上デザインオフィス』というブログの記事「本とお茶を持って旅に出る」で、その表紙を見ることができます。
移ろいの風景論
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「豚と福音」(南蔦宏)については、佐藤Kさんが『熊本現代美術館の館長である南嶌宏氏に注目しています。氏の評論集「豚と福音」(七賢出版)は、ぼくにとってバイブルとなりました。(中略)彼にこそ、日本の美術館の最後の可能性が残されていると感じました』とコメントしています。
豚と福音
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2005年04月25日

「ホットケーキ」古川身江子

短説というのは文学形式の一ジャンルです。小説や詩、短歌というような分類の一つだと考えてみてください。ですから、そこではいろいろな種類の作品が生まれています。そんな中、詩的な短説を書いてもっとも成功している作家が古川身江子さんです。
短説は原稿用紙2枚という短さなので、詩的に書くと多くは散文詩になってしまいます。古川さんはただ一人、詩と短説の間に立つ幅10センチほどの塀の上で、かならず短説側に身を寄せながらステップを踏んでいる作家だといえるでしょう。
紹介する作品は、特に僕が好きな「ホットケーキ」です。
http://tansetsu.at.infoseek.co.jp/works/furukawa01.htm

古川さんの短説は、「風都市」という雑誌に掲載されたことがあります。「ホットケーキ」と「時計」という2作品です。下記URLが『風都市』主宰の瀬崎祐さんのページです。「瀬崎祐・詩の部屋」から入って「風都市 10号」を開くと、読むことができます。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/8960/
posted by 本読人 at 14:28| Comment(6) | TrackBack(1) | 短説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月23日

「ユーザーイリュージョン」トール=ノーレットランダーシュ

お読みになる方に、まず注意です。書かれている内容を頭から信じないこと。でも、行き詰まっている分野にはこれくらいの振り幅が必要なのでしょう。
作者のトール=ノーレットランダーシュはデンマーク人の科学ジャーナリスト。この本はデンマークでベストセラーになったそうです。
エントロピーやマックスウェルの悪魔の話など、文系人間には馴染のない話題満載ですが、真偽を超えてここまで書かれると面白い。個人的には意識が0,5秒遅れてくる話が秀逸でした。
ユーザーイリュージョン
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「ユーザーイリュージョン」を読むにあたって、物理の知識が薄い僕が参考にした本の一つです。
理学博士都筑卓司さんのベストセラー。もちろん単独でも十分に読みごたえのある一冊です。
マックスウェルの悪魔
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posted by 本読人 at 11:47| Comment(0) | TrackBack(1) | 哲学・思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月19日

「アングル展」図録

アングルの「泉」は、僕の中で最高の絵画です。ルーヴル美術館に行った時、半日見ていました。作品の模写が可能な美術館なので、僕も持っていたノートに鉛筆で写していました。気がつくと、明らかに酔っぱらっているオジサンが後ろに立って、僕の模写を見ています。オジサンが言いました。
"Can you speak English"
"・・・Little・・・"僕が答えると、オジサンは身振り手振りを交えてまくしたてます。しばらくして、僕がまるで理解できていないことを知ると、
"Eye is life. Eye is life"と繰り返しました。
かくして、妙に目元だけが描き込まれた「泉」の鉛筆模写が出来上がりました。
その日、ルーヴルで買った図録には残念ながら「泉」は掲載されていませんでした。
手元にある「泉」の載っている図録は、1981年国立西洋美術館で開催された「アングル展」のものです。この時の「アングル展」には、また思い出があります。図録はそれを記憶してくれています。
2005年4月19日現在、「日本の古本屋」の古書検索に在庫を確認しました。URLは以下の通りです。
http://www.kosho.or.jp/index.html

そんなアングルが今、日本に来ていると聞きました。「泉」も来ているのだろうか。
「ルーヴル美術館展 19世紀フランス絵画 新古典主義からロマン主義へ」
2005年4月9日(土)〜7月18日(月) 横浜美術館(URLは以下の通り)
http://www.yma.city.yokohama.jp/

アングルは新古典主義に分類されていますが、ある意味ではロマン派よりもはるかに革新的な作品を描いています。それがどんな意味なのか、どうぞ実物を見てください。
posted by 本読人 at 22:47| Comment(5) | TrackBack(2) | 画集・写真集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月16日

「人魚變生」山田章博

著者のおそらく処女作品集なのではないかと思います。古典的なタッチと文学的な雰囲気。それらが当時の作者の若いエネルギーと融合して、希有の作品を生み出しました。
集録作品は、それぞれに美しい光を放っています。特に一作品をあげるとするなら、僕は「みづは」です。
今は売れっ子の漫画家、イラストレーターとして活躍している山田章博さんの原点です。
2005年4月15日現在、「日本の古本屋」の古書検索に在庫を確認しました。URLは以下の通りです。
http://www.kosho.or.jp/index.html

僕は実物を見ていないのですが、豪華版のイラスト集が出ていました。なかなか手に入らないようなのですが、その軽装版がでているので紹介します。
20年に渡るイラストの中からカラー146点を含む482点掲載とのこと。帯びに書かれた「百華繚乱」というコピーが、これほど似合うアーティストも、そうはいないように思います。
山田章博画集
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posted by 本読人 at 09:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月14日

「太陽の子守歌」米岡元子

書籍にまとめられた個人の短説作品集は、まだまだ数少ないのが現状です。その中で、この作品集は間違いなく名作の一つでしょう。
障害を持つ我が子を育てた記録が、短説として刻々と表現されていきます。短説が持っている文字の可能性、言葉の力を感じる作品集です。
崙書房のホームページに見つけました。以下のURLから入って、既刊情報に行ってください。
http://www.ron-syobou.co.jp/

作者である米岡元子さんのホームページです。短説の他に小説もアップされています。
http://www.geocities.jp/yone_tamatebako/
posted by 本読人 at 00:33| Comment(7) | TrackBack(0) | 短説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月12日

「Wordで本をつくろう」ヨコ組編

出版、印刷の方法はパソコンの普及で、とても身近なものになってきました。パソコンでの版下づくりも、以前はDTPのソフトに頼っていたのですが、今ではある程度の版下ならWordで作成できます。
僕は表題のヨコ組編を愛用しているのですが、タテ組編もあるので下にあわせて紹介しておきます。
これらの書籍はWordでの版下作成方法について書いていますが、もちろん他のソフトでもそれぞれできることはあるはずです。パソコンがあれば、自分の書いた小説やエッセー、短説などの書籍化はずっと身近な時代になっています。
そのうち、粗筋や登場人物のキャラクターを入力して、文体を選択すると、小説を書いてくれるソフトもできかも・・・。
Wordで本をつくろう
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Wordで本をつくろう
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posted by 本読人 at 07:59| Comment(5) | TrackBack(0) | 実用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月11日

「景観の構造」「日本の景観」樋口忠彦

桜特集、みなさんのおかげで盛り上がりました。ありがとうございます。
せっかくなので、今回も特別編でコメントに紹介していただいた本をお知らせします。
景観の構造
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日本の景観
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お隣の借景桜、いよいよ散り始めました。
posted by 本読人 at 21:58| Comment(11) | TrackBack(2) | 哲学・思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月10日

「桜の園」チェーホフ

桜特集、詩歌が続きましたので、目先を変えて戯曲です。特権階級の没落の物語。最後のト書き「そして遠く園で、トン、トン、と樹にあてる斧の音だけがきこえる」(湯浅芳子訳)が印象的です。
桜の園
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ということで辻井喬「西行桜」。これは小説です。
西行桜
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posted by 本読人 at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 外国文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月08日

※続報(1)

これまで書き込んできた記事についての続報です。
3月7日UP「花岡ちゃんの夏休み」清原なつの 復刊ドットコムによれば現在リクエストは49票(2005年4月8日)とのことです。100票のリクエストで、出版社との復刊交渉が始まります。

3月16日UP「子どもがはじめてであう絵本」ディック=ブルーナ 『うさこちゃんとおでかけセット』及び『うさこちゃんのおたんじょうびプレゼント50』ですが、お知らせしていました復刊ドットコムでの予約受け付けは終了しています。

3月18日UP「斜陽」太宰治 斜陽館のある金木町は3月28日正式に五所川原市と合併しました。

4月3日UP「若山牧水歌集」 紹介しました「詩の状況・詩の現在」は在庫切れとのことです。そこで、復刊ドットコムに新規に復刊リクエスト登録をしました。みなさんのリクエスト投票が頼りです。
ご協力よろしくお願いします。

絶版本を投票で復刊!
posted by 本読人 at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ※本読人からみなさんへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月07日

「新古今和歌集」佐佐木信綱・校注

古代、近代と紹介してきたので、今度は中世の桜に視線を移して『新古今和歌集』の紹介です。中でも、僕はやはり西行です。
現在いろいろなところで「西行桜」を見ることができますが、「西行桜」といえばシダレザクラ。樹齢を重ねた巨木が多く、圧倒されます。
新古今和歌集
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和歌に慣れていない方には、大岡信著『古今集・新古今集』が読みやすいと思います。両和歌集の代表的な作品を堪能できます。
古今集・新古今集
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posted by 本読人 at 12:46| Comment(15) | TrackBack(1) | 詩歌・楽譜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月03日

「若山牧水歌集」

今回もヤマザクラ。時代はずっと近づいてきて若山牧水です。牧水といえば、有名な「白鳥は・・・」の歌がありますが、山桜を歌った秀歌でも著名です。
若山牧水歌集
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「桜の文学史」の原点は1986年から雑誌『詩学』に連載されていた『詩の状況・詩の現在』にあります。若山牧水とはまた違った意味で万葉の心を、現代詩の中で歌った詩人に堀内幸枝、三井葉子らがいました。『詩の状況・詩の現在』はそうした現代詩の1980年代を伝える、貴重な資料でもあります。
詩の状況・詩の現在
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お隣の桜は、一つ二つと花を咲かせ始めました。
posted by 本読人 at 12:39| Comment(5) | TrackBack(1) | 詩歌・楽譜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月02日

「万葉集」中西進・注釈

桜特集第2弾は、古代の桜。もちろんソメイヨシノではありません。ヤマザクラなどです。
『万葉集』には、多くの桜の歌が収められています。講談社文庫、中西進版(全4冊)をお薦めします。
万葉集
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『万葉集』を鑑賞する虎の巻のご紹介。上記講談社文庫版の別巻で「万葉集事典」(中西進)です。
万葉集
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posted by 本読人 at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩歌・楽譜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月01日

「桜の文学史」小川和佑

我が家の隣の病院の桜が、開花秒読みです。昨年ずいぶん枝を落としてしまったのですが、借景で楽しんでる身で贅沢はいえません。
そんなこんなで、しばらく桜関係のお薦め書籍の紹介をしたいと思います。
本にこだわる「マイ ブック」としては、最初はやはり「桜の文学史」から。古代から現代に至る桜の変遷。それを詩歌、小説などへの出現の様から解きあかした名著です。
桜の文学史
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「桜の文学史」にも取り上げられている、梶井基次郎の短編小説「桜の樹の下には」。新潮文庫では「檸檬」に集録されています。
檸檬
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posted by 本読人 at 09:33| Comment(13) | TrackBack(2) | 哲学・思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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