2005年03月25日
高村光太郎の名詩集です。若い頃から物事を斜めに見て、小難しい哲学めいた文学に傾倒してきた僕ですが、何度となく立ち返ったのが「智恵子抄」です。それは、たぶん「愛」というものに立ち返っていたのだと思います。
阿多多羅山の山の上に/毎日出てゐる青い空が/智恵子のほんとの空だといふ。
いったい、どんな空が智恵子の本当の空だったのだろうか。
智恵子抄

美しい写真の一冊です。
「空の名前」(高橋健司 写真・文)によれば、「徒雲」という名前の儚い雲があるそうです。
空の名前


posted by 本読人 at 16:40|
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詩歌・楽譜
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角川版は写真が大人しくなったので残念です。少女コミックみたいになってしまった。もう、ポップじゃない。
今日28日読売新聞夕刊に新刊として『恋する歌音(カノン)』集英社文庫が紹介されていました。「ほかの人の古い和歌+新しい短歌+エッセイ+自分の歌」という内容だそうです。ちょっと買ってみたくなりました。
「恋する歌音(カノン)」(どんどん本題から離れてしまうが容赦)を紹介してくれてありがとうございます。古い人の和歌を現代に引き込むということは刺激的です。
ぼくは建築設計をしてきたので、できることなら古い和歌が歌われた「場」や「空間」をつかみたい。歌人が、なぜその歌を詠みえたのか。空間が影響していたのかどうか。
その屋敷構成だからこそ、あるいはその時代のシキタリだからこそ生まれた言葉があるのではないかと思います。それをつかまえることができたとき、現代の空間(空間は制度でもあります)との違いや言葉の違いが見えると期待します。
このブログは、ぼくの内面のフタを刺激してやみません。
お話の「恋ノウタ」「恋する歌音」、本編の記事で紹介させていただきました。
僕が本の紹介をするブログのつもりが、僕も本を紹介されて、得した気分です。