2005年04月01日

「桜の文学史」小川和佑

我が家の隣の病院の桜が、開花秒読みです。昨年ずいぶん枝を落としてしまったのですが、借景で楽しんでる身で贅沢はいえません。
そんなこんなで、しばらく桜関係のお薦め書籍の紹介をしたいと思います。
本にこだわる「マイ ブック」としては、最初はやはり「桜の文学史」から。古代から現代に至る桜の変遷。それを詩歌、小説などへの出現の様から解きあかした名著です。
桜の文学史
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「桜の文学史」にも取り上げられている、梶井基次郎の短編小説「桜の樹の下には」。新潮文庫では「檸檬」に集録されています。
檸檬
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posted by 本読人 at 09:33| Comment(13) | TrackBack(2) | 哲学・思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
桜といえば、やはりこの本ですね。
こんなブログ発見。
review88という人の「ブックレビュー 本の読みある記」の中で、『桜の文学史』がかなり詳しく紹介されています。→ http://bookreview.exblog.jp/i3
Posted by 西を向く人 at 2005年04月02日 21:10
本当だ。みなさん、参考にしてみてください。
Posted by 本読人 at 2005年04月02日 22:10
さくら。
どうして日本人は心奪われるのでしょうか。翻れば、心奪われない人は国籍や姿が日本人でも、日本人とは言いがたいのでしょうか。
 アイヌや琉球の人々は、どうなのだろう。また、日本で生まれ育った外国籍の人々はどうなのだろう。たとえば、ウエンツやベッキーたち。
Posted by 佐藤 at 2005年04月03日 11:38
桜にかぎらず、花々に心を奪われるのは日本人だけではないようです。たとえば桜においても、チェーホフの「櫻の園」という戯曲が成立しているわけですから。
問題はどのように心が奪われるのか、あるいは時代時代において、どのように心を奪わされるのか、ということにあるように思います。
桜という同じ樹木が、ある時は生命の象徴であり、ある時は軍国や滅びの美であったり、そうかと思えば結界の意味で学校のまわりに沢山植えられたり・・・。
桜にどのように心奪われるかについては、品種改良と、その時代ごとの要請が絡み合っているようです。
日本人特有と言う観点から見ると、「○見」(花見、月見など)「△△狩り」(紅葉狩りなど)などは独特かな、と思います。それは対象の特異性と行為の特異性両面でそう感じます。
Posted by 本読人 at 2005年04月03日 12:54
補足です。
桜に限らずですが、一神教の国々に比べて、八百万の神の国では、森羅万象に対して心を奪われる傾向は強いように思います。そういう意味では、アイヌや琉球の人たちも、同じグループだと思います。
さて、その中で桜が特に日本人と強烈に結びついたのは、やはり軍国の桜教育にあると思います。作られた桜のイメージです。ですから、同じ教育の影響下にあった沖縄や北海道も同じ桜のイメージで覆われていたと思います。このことは列強国との戦いという時代にあって、余計に日本のアイデンティティとしての軍国の桜のイメージを鮮明にしたのではないでしょうか?
つまり、弥生系日本人も縄文系日本人も、アイヌも琉球の人たちも、古代より森羅万象に心を奪われやすい宗教観をもっていた。そこに軍国の桜の教育がされ、これが日本人のアイデンティティのように世界に受け取られ、日本人も思い込むようになった。みたいな感じです。
以上は、あくまでも私論ですが、大切なことは現在の動きです。小川氏に限らず、多くの人が、教育された軍国の桜のイメージを日本人自身が払拭していこうとしていることです。
桜には、何の罪もない。
桜も梅も桃も、シメジもスギゴケも・・・、それら森羅万象に心を奪われるのが日本的なのだと思い思われる文化になると、個人的には嬉しいのですが。そしてついでに、それだけに僕らは教育されると、影響されやすいのだという自覚を持ち続け、警戒を怠らないこと。
佐藤Kさんへの返信を書くつもりが、大きくそれてしまいました。トホホ。
Posted by 本読人 at 2005年04月03日 14:11
本読人さま、返信ありがとうございます。このような応えを待っていました。
 サクラにまつわる教育的指導については、現代人は自覚しなければいけませんね。「23分間の奇跡」というタイトルだったと思いますが、ドイツでの第二次大戦終了直後の23分間に起こった出来事の話は、子供をもつようになって恐ろしく感じています。
 でも、「教育」というものはそういうものであり、無自覚であってはいけないことです。もっとも洗脳させるのは、親なのですから。
Posted by 佐藤K at 2005年04月06日 01:17
桜について検索し、辿りつきました。これは嬉しいブログです。本読人さんのコメントにも同感です。トラックバックさせていただいて、ご挨拶遅れました。
Posted by tsukinoha at 2005年04月06日 05:39
いただいたコメントを過って消してしまいました。大変申し訳ありません…。それから、別枠で清原なつのさんをピックアップされているのには懐かしく、これもまた嬉しくなりました。また参りますね。
Posted by tsukinoha at 2005年04月07日 06:07
tsukinoha様
コメントの件、どうぞ気になさらずに。
さきほどお寄りして、別件のコメントを書いてきました。
それから、清原なつのさんも桜もの、「桜の森の満開の下」や「桜守姫秘聞」を書いていますね。
Posted by 本読人 at 2005年04月07日 10:54
「景観の構造」(樋口忠彦著 技法堂出版)という本があります。1975年出版の古い本ですが、日本の伝統的な地形を隠国大和型、八葉蓮華型等8つに分類して解明を試みています。桜の名所の吉野山は「向かい合う斜面が奥へ奥へと人を導く効果が云々」といった内容で出てきていたと思います(ウロオボエ)。文学的な要素を絡めつつ、その地の特性を形から解こうとするところが面白いです。一応専門書ですが、読みやすい本ですので広く読んでもらえると良いのにと思ってます。大きな図書館であれば、建築コーナーに置いてあると思います。
同じ著者で「日本の景観」という本もあります。こちらは未読ですが書き直しバージョンかもしれませんね。

ちょっとズレすぎですか?
Posted by mizdesign at 2005年04月09日 15:09
mizdesign様
ズレすぎ、なんてとんでもありません。ありがたいです。
この「マイ ブック」は、僕がみなさんに本を紹介するコンセプトなのですが、ときおり逆に紹介してもらって、得した気分になっています。
僕は借景専門なので、それだけに景観には興味があります。
今後とも、よろしくお願いします。
Posted by 本読人 at 2005年04月09日 22:53
樋口先生が新潟大学にいるときに何度か会ったことがあります。今は京都大学です。mizdesign氏が紹介した「日本の景観」は、ちくま文庫です。「景観の構造」も所有しています(はず)が、ツンドク状態です。でも、建築系の研究者で日本の文学と景観を融合させて分析している分野の第一人者のはずです。
 比較的若い研究者には、風水と景観とか地理学的見地と建築的景観の融合などなど研究している人が増えてきているようです。
 暇があれば建築学会のほうを調べてみようと思ったことがありますが、ほったらかしになっています。
 
Posted by 佐藤K at 2005年04月11日 21:34
mizdesign様 佐藤K様
ご紹介いただきました「景観の構造」「日本の景観」、記事の方に書き込みました。
Posted by 本読人 at 2005年04月11日 22:34
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Weblog: マイ ブック
Tracked: 2005-04-03 12:39

005 桜を想う
Excerpt: 桜ほど日本人にとって忘れがたい花はないでしょう。 日本の意匠に関する文様の資料を覗いてみても、菊よりも、藤よりも、どの花よりも半端じゃなく数多くの工芸品が残されているのが、この桜であるということが、..
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Tracked: 2005-04-05 21:55
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