2005年11月29日

「032:乾電池」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔田貫 砧〕
乾電池入れぬ時計は一日に二度正確な時刻をきざむ

 ※0.1秒でも進んで(あるいは遅れて)いる時計は、動いていても正確な時間を刻むことはないのですね。

〔丹羽まゆみ〕
冬の陽を取り合う猫は乾電池 フローリングを直列に寝る

 ※結句が特におもしろいです。

〔中村悦子〕
いじめられやすい部分は乾電池ならばプラス極なのだろう

 ※実際に乾電池を眺めてみると、そんな気がしてきます。よく気がつかれたと思います。

〔植松大雄/SERENO〕
はるかなる氷河期のある雪の夜に乾電池売るA.I.ひとり  
http://www.mag2.com/m/0000121502.htm

 ※短歌はSFも詠めるのですね。いつか、僕も・・・。

〔五十嵐きよみ〕
こんなにも完成されたさみしさで並ぶ双子の乾電池たち
http://yaplog.jp/noma-iga/

 ※これもまた、実際に乾電池を並べてみてみるとその通りです。使っていた乾電池なので、別々の傷や汚れがあることが、また双子のいい味をだしています。

〔五十嵐仁美〕
古い乾電池は庭のリラの下しんしん錆びて液化してゆく
http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef

 ※乾電池の液化。リラの下でしんしんと錆びていく。選んだ言葉とその結びつきが絶妙です。何度も繰り返し言葉にして味わっています。


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「031:盗」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔現川尋香〕
うれしかった幼き日のこと思い出す怪盗ルパンを読破せし時

 ※「怪盗ルパン」の読破には、沢山の謎を解いた後のような悦びがありそうです。

〔野樹かずみ〕
盗癖のある子もなにげなく席にすわらせて村のクリスマス会
http://kazuminogi.hp.infoseek.co.jp/

 ※他にもいろいろな子供たちが、何気なく座らされているのでしょう。ほのぼのとした中に、怖さも感じました。

〔水野 華也子〕
自転車のベルを盗まれちりりんと声に出して言う墓地の曲がり角
http://homepage2.nifty.com/hanayakko/

 ※目に浮かぶ光景。そしてその視界に見えてくる「墓地」。見事と思います。

〔水月 秋杜〕
背表紙の分類表が黄ばんでる『怪盗紳士リュパン』を返そう
http://members3.jcom.home.ne.jp/minatuki_akito/

 ※『怪盗紳士リュパン』は、分類表が黄ばんでいることが、とても似合う本の一つです。盗んだわけではなくて、返さなかっただけなのだけれど・・・。
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2005年11月17日

「030:橋」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔尾崎弘子〕
あの橋は無いことにして対岸を見ずに座つてゐるこの岸辺
http://homepage3.nifty.com/tsukinokai/

 ※人生ですね。

〔足立尚彦〕
新しい橋が架かってこの町に増えるものあり減るものもあり
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/adachi.htm

 ※「もの」が漢字で限定されていないことが悲しさを大きくさせます。

〔ピッピ〕
渋谷から柏に橋が架かればね 企みばかり増えていくよね
http://roo.to/x_x_x/

 ※地名の選択が見事と思います。今のままだと、橋が架かったら柏は「裏シブ」になってしまいそうです。

〔五十嵐仁美〕
橋の上から子猫入りダンボール捨てたと母の告白聞きし
http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef

 ※凄い話ですよね。そしてダンボールに入れた子猫を捨てたのではなく、この母は「子猫入りダンボール」を捨てたと言っているということ・・・。

〔堀野真実子〕
今度住むK市は橋が多いこと大きめの字で書き出してゆく
http://www.bigcosmic.com/board/s/board.cgi?id=n43n43

 ※新しい暮らしへの思いを感じます。
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「029:ならずもの」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔足立尚彦〕
ならずもの。このやわらかいひびきならならずものになろうよみんな
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/adachi.htm

 ※マイナスイメージであるはずの言葉が、時を経て持つ「やわらかいひびき」。共感する歌です。

〔深森未青〕
すべり台逆にのぼればならずもの良い子でなければもう生きられぬ

 ※なるほど。ならずものというのは、ある意味ではそういうものです。

〔瀧村小奈生〕
ならずものになりたいらしい少年と蚊を追いながら夕涼みする

 ※この少年との関係は分かりませんが、雰囲気が伝わってきます。

〔桑原憂太郎〕
君達がならずものでもかまわない担任はそれでも担任である

 ※「君たちはならずものではない」よりも、ずっと強い覚悟が伝わってきます。

〔久慈八幡〕
グランドのならずものから守り抜くグランパス楢崎の目は鷹
http://kuji8.exblog.jp/

 ※A代表楢崎だと問題があるかもしれませんが、「グランパス楢崎」なら納得です。うちの玉田はならずものではありませんが、ゴールを阻まれています。
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2005年11月16日

「028:母」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
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〔川内青泉〕
空襲で母に負ぶわれ逃げまどう人の死体を踏み越えていく

 ※「人の死体を踏み越えていく」と詠みきったことが凄いです。

〔mamaGON〕
飛び跳ねてよろこび遊ぶも時々は母を捜して泳ぐ孫の眼

 ※母子ではなく、三世代であることが、歌を面白くしていると思います。

〔雪之進〕
痴呆症は認知症だってお母さん、ひとまわりしておうちにかえろう

 ※「ひとまわりして」の優しさが心にしみてきました。

〔小野糸屯足各〕
わが家では自民嫌いが大多数父母も自分も自民が嫌い

 ※父母と自分の3人でも「大多数」と言い切ることが、今回の自民党の「大勝」の意味を看破しているように思います。時事詠として優れていると思います。
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「027:液体」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔黒田康之〕
バス停に少女が一人立っていて見知らぬ名前の液体を飲む
http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

 ※もちろん歌として良いのですが、時代が作品の重み付加して、僕には伝わってきました。

〔kitten〕
『ぼくの父さんわ《液体》ですがしゃべるしちゃんと朝刊も読みます』
http://www12.ocn.ne.jp/~kitten/

 ※不思議な歌です。読み直す度にハマッテいきます。

〔織田香寿子〕
わが部屋の形なきもの吸いあげつ除湿器満ちる液体五リットル

 ※いや、本当にあの「五リットル」には何かが溶け込んでいる気がします。作者の目のつけどころが良いです。

〔敏恵〕
サナギから這い出た蝶は液体に覆われ羽の乾くを待ちぬ

 ※まだ蝶になりきっていない不安定な一瞬を、しかし美しくとらえていると思います。

〔郁迪〕
形状を保てないのが液体ですとさらっと答える隣の友達
http://mintmilk.tea-nifty.com/kimamatanka/

 ※これもまた、時代が重みを付加して、僕に伝わってきました。
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2005年11月15日

「026:蜘蛛」題詠マラソン2005

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〔さよこ〕
糸ひきて蜘蛛は飛びたりすぎし日の苦き数々断たんとすれば

 ※雪迎えの情景が、下の句の味わいをよく引き出していると思います。

〔舟橋剛二〕
蜘蛛になるか蜘蛛に食われる蛾になるか考えながら焼き鳥を食う
http://www3.diary.ne.jp/user/343254/

 ※蜘蛛を見ながら焼きとりを食べる男。そして蜘蛛も焼きとりを食う人間を見ながら、同じことを考えているのかもしれません。蛾を食べながら。

〔河村壽仁〕
(銭形と春山は、不二子に別れを告げてニューロンドン駅からお城に急行する)
蜘蛛型の発信機つけたるパトカーは都の暗き街路を走りぬ
http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/

 ※発信機が「蜘蛛型」であることが、街路の入り組んだ様子を思わせます。

〔荻原裕幸〕
蜘蛛の糸きらきらとして何もない朝をそのまま受け容れてゐる
http://ogihara.cocolog-nifty.com/

 ※何度読んで、味わい直しても飽きることの無い歌です。
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「025:泳」題詠マラソン2005

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〔宮まり〕
泳ぐことを忘れた蝶が池に浮き何かを待っているのだろうか

 ※切なさが伝わってきます。

〔ハナ〕
溺れたり泳いだりまた溺れたり魚だったり少し死んだり
http://www14.plala.or.jp/nemu31/

 ※結句の飛躍。僕には詠めない歌です。

〔コメット〕
鯉のぼり泳ぐ曇天声もなく笑う男の子の葬列が行く

 ※プラスイメージとマイナスイメージが交互にやってきて「葬列」のイメージを確かなものにしていると感じました。

〔氏橋奈津子〕
ランドセルに防犯ブザーひからせて西小児童たちの群泳

 ※一昔前なら、「ランドセル」だけで児童の象徴だったのですが、今の時代は「防犯ブザー」なのですね。「ランドセル」から「防犯ブザー」へのクローズアップと、「西小」という具体性。そうやってピンポイントに釘付けにされた僕の視点は「群泳」で一気にパンされました。

〔大江ケンジ〕
職場まで泳いで5分のアパートにちょうどひと部屋空きを見つけた
http://www.geocities.jp/kjkjkj56jp/

 ※引っ越し10回以上の僕には、とても共感できる歌です。
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2005年11月11日

「024:チョコレート」題詠マラソン2005

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http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔川内青泉〕
バレンタイン主人が貰ったチョコレート毎日一個ずつ私が食べる

 ※「毎日一個ずつ」が効いています。単に、ご主人が甘いものが苦手なので代わりに・・・、だけではないものを感じます。

〔ひぐらしひなつ〕
チョコレートの銀紙裂けば冬空のあかるい場所に届くぶらんこ
http://www2.spitz.net/hinatsu/

 ※ブランコを大きく漕いでいて、日陰から日向に飛び出す瞬間。気持ちのいい歌です。

〔みにごん〕
チョコレートパフェを完食した後は生きる意味とかどうでもいいし
http://mini.pussycat.jp/

 ※僕のイメージだと、食べている間は生きる意味とかどうでもいい、なのです。だから、この歌は新鮮でした。

〔岩崎一恵〕
標本にして愛したいチョコレートにのこされたうつくしき歯の痕

 ※一歩間違うと、危ない世界。その危うさの手前に屹立していることで、素敵な歌になっているのだと思います。

〔荻原裕幸〕
チョコレートのやうにたやすく八月のあの風景も折れて曲つた
http://ogihara.cocolog-nifty.com/

 ※凄い歌だと思います。

〔日菜清司〕
創る、崩れる。崩れる、創る。チョコレートケーキ天/才的な/切/断
http://www.hct.zaq.ne.jp/koharubiyori/index.htm

 ※前後に別々の視覚的効果を持ってきたことが、斬新だと思います。

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2005年11月09日

「023:うさぎ」題詠マラソン2005

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http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔落合葉〕
雪うさぎ南天の目のいとしさにそっと手にのせ指さき赤く

 ※庭の南天は早くも準備万端、赤くなっています。あとは雪を待つだけです。結句にひかれました。

〔岩井聡〕
顔なでて背中をなでて腹なでて朝晩なでてうさぎが死んだ

 ※好きだから愛でる。それが相手を失うことに繋がっていく。悲しいけれど、一つの真実を詠んでいます。

〔原田 町〕
食べるためうさぎを飼っておりましたオオバコ摘んで餌にしました

 ※食べるためのうさぎは「おりました」。そのうさぎのための餌は「しました」。この違いが、歌を只者では無くしていると思います。オオバコからうさぎ、そして人への食物連鎖。最初から食べる目的で飼われるうさぎと、飼う人々。運命が宿る歌です。

〔近藤かすみ〕
国光を切つてうさぎのかたちにし薄い塩水に浸せと母は
http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

 ※きっと、あのお弁当に入れるようなリンゴのうさぎですね。皮に切り込みをいれて、剥がして・・・。稲葉の白うさぎを塩水につける残酷さが浮かんできて・・・。味わい深い歌です。

〔素人〕
満月にうさぎがいると教えられ子にまた同じこと伝える

 ※月にロケットがいく時代になっても、この伝承は続いています。それが嘘だとみんな知っていても言い伝えられています。一方では、次の世代に本当に語り継ぐべきなのに、語られていないことも沢山あるのだろうに・・・。読み終えて、いろいろ考えた歌です。
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2005年11月08日

「022:弓」題詠マラソン2005

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http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔春日山〕
弓なりに身体(からだ)反らせて体操の選手は床を縦横に舞ふ

 ※混じり合う、直線、曲線の美しさ。

〔村本希理子〕
あづさ弓春のけだるさ蹴つとばし大音量に聴くジェフ・ベック
http://otd6.jbbs.livedoor.jp/674356/bbs_plain


 ※結句はいろいろ別の人を考えてみたのですが、やっぱり「ジェフ・ベック」なのですね。ギターの弦を操る天才!

〔森屋めぐみ〕
ずしずしと春の太陽昇り来る弓取り式の力士のように

 ※ただの太陽ではなくて「春の」だからよいのでしょう。それにしても「弓取り式の力士」に例えたのは、はじめてみました。

〔笹本ふう〕
信号のかどを曲がった先におる あの子のかばん弓はみでてる
http://sagasimono.moe-nifty.com/arimasuka/

 ※結句が見事と思います。

〔美作直哉〕
弓のよう背中を反らし顔一杯力漲り五才のくしゃみ
http://park11.wakwak.com/~bebe/mimasaka/

 ※初句から続くたたみかけの終わりが「五才のくしゃみ」。やられたっ! と思ったときには、選歌していました。

〔岩崎恵〕
弓をひく形で眠る君がいる 抱きしめながら肋骨なぞる

 ※視覚で感じる弓形が、触覚で感じる肋骨の弓形に移っていく、見事と思います。
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「021:うたた寝」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔黒田康之〕
また人が死んだのだろうサイレンの遠鳴りを聞きうたた寝をする
http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

 ※覚醒の時には決して無いような心情に、「うたた寝」の瞬間陥ることがあります。その時を掴んでいると思います。

〔丸井真希〕
こたつにてうたた寝をして見つかって怒られながら起きる幸せ
http://m-space.jp/?25345225

 ※「幸せ」はなによりも「怒られながら」にかかるのですよね。これは「幸せ」というものです。はい。

〔みにごん〕
葉桜に取り囲まれたうたた寝の夢の中では去年のままで
http://mini.pussycat.jp/

 ※「うたた寝」をしているのは、もちろん私。そして同時に、この歌からは「葉桜」も開花を終えて、しばし「うたた寝」しているように感じました。

〔佐藤麦〕
うたた寝をしてたら朝鮮朝顔が全部咲いてた白猫(ねこ)はしんでた

 ※「朝鮮朝顔」が漢字で、「白猫」にはわざわざ(ねこ)とルビをふってまでも漢字にして。それなのに結句で「しんでた」は平仮名。猫の持つ不思議さと相まって独特の世界が生まれています。
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2005年11月07日

「020:楽」題詠マラソン2005

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http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔島菜穂子〕
この星のすべての彩(いろ)を身にまとい極楽鳥は羽をひろげる

 ※正確な配色は思い出せませんが、そんな気がします。説得力があります。

〔今泉洋子〕
わたくしは何の獣(けだもの)春の夜に鳥獣戯画をひとり楽しむ

 ※「私は誰?」ではなく「けだもの」であることを前提にしているところが見事だと思います。

〔斉藤そよ〕
解散の儀式でしょうかさえずりを音楽として鳥の混群
http://www003.upp.so-net.ne.jp/capverses/

 ※結句の「混群」が、僕は効いていると思います。

〔ももか〕
帰り道聞くの楽しかったうんたのしかったその顔のかがやき
http://www.geocities.jp/haikumomoka/

 ※漢字での問いに、平仮名で答える。「その顔」に「かがやき」を見る眼差しが素敵です。
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「019:アラビア」題詠マラソン2005

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〔斉藤真伸〕
虚偽ひとつ封をし終えて卓上のアラビア糊は寝静まるかな

 ※寝静まったアラビア糊は、「虚偽」の秘密を知っている気がします。

〔村本希理子〕
シャーペンは0.3ミリ 少しだけアラビア数字に装飾入れる
http://otd6.jbbs.livedoor.jp/674356/bbs_plain

 ※思いっきり小さな経験を、見事につかまえていると思います。

〔ぞうきん猫〕
幾たびの戦が過ぎしアラビアは遠き国なり我にとっては

 ※戦争がある度に、その国は「平和な国、日本」から、どんどん遠ざかるような気がします。そうして日本は平和な気になっている。でも戦争している国のおかげで経済が成長してきたことも、「平和な国、日本」にはあったはずなのに・・・。戦争をしていても、ただ一つ遠ざからない国「アメリカ」。そしてきっと戦争をした国々から見ても、戦争をしたその都度、日本は遠ざかっていたように思います。いろいろ考えさせられる歌です。

〔佐藤紀子〕
「ひらけゴマ!」アラビア人の顔をして自動ドアーを通りぬけたり

 ※カミングアウトします。僕はやりました。

〔萩原留衣〕
多分そう私が最初に書いたのは日本語ではなくアラビア数字

 ※記憶にはないのだけれど、僕もそうだった気がするのはなぜ? 共感の妙がある歌です。

〔なかはられいこ〕
「アラビア」と発語するとき上下するあなたの喉に青い魚いて
http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

 ※「青い魚」でなければダメですよね。絶対、「青い魚」です。

〔五十嵐仁美〕
アラビアにランプの精は今何人住民登録しているのだろう
http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef

 ※たぶん、「アラビア」という国名の国はないのだろうから、そこに「住民登録」しているものは、はじめっからいない。でも存在しない国に「住民登録」しているかもしれないと思うと、「ランプの精」のご一行様が見えてきます。

〔花笠海月〕
古書店員ひもにしばりてはこびゆく『アラビアン・ナイト』一括揃

 ※「アラビアン・ナイト」といえば、盗賊に捕まって縛られて・・・って、「アラビアン・ナイト」が縛られてる。しかも店員に。ぜったいに、誰かが助けにくるはずです。
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「018:教室」題詠マラソン2005

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http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔春日山〕
少年やおばさん達も学びゐる夜の教室先生若し

 ※以前、夜間中学を手伝いに行ったことがあります。その時が、この歌のようでした。最近は少子化のせいか、大学でも社会人入試に力を入れています。この歌の姿は「夜の教室」だけのものでは無くなりつつあるようです。

〔スナフキン〕
同窓会 久々集まり しみじみと 小箱になった教室の中
http://www.geocities.jp/omakasesumo23/

 ※大人になってから小学校に行った時、机と椅子の小ささに驚きました。それは常套の感覚なのですが、この作者は「小箱になった教室」と詠んでいます。新しい表現の発見です。

〔武田ますみ〕
きらきらと夕日にほこりが照らされて『飛ぶ教室』は本箱の隅
http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508

 ※今の教室で『飛ぶ教室』は「本箱の隅」。しかし長く世界中の教室を窓から覗いてきた「夕日」は、その素晴らしさを知っているようです。

〔西村玲美〕
教室の隅に寄せたる椅子の足理路整然と我を拒絶す
http://homepage2.nifty.com/sora_uta/index.htm

 ※場面が想像されます。そしてその教室に入った僕は、やはり拒絶されてしまうのでしょう。

〔水月 秋杜〕
教室のいちばん前に座ってたあの子のことをだれも知らない
http://members3.jcom.home.ne.jp/minatuki_akito/

 ※ホラーであってくれたなら、怖いだけで救われます。どうぞ、ホラーでありますように。

〔よしだいつき〕
教室の隅にたまった綿ぼこり誰の不満か今日もふくらむ

 ※発想が見事です。
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2005年11月06日

「017:陸」題詠マラソン2005

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〔島菜穂子〕
断ち割りし石の面(おもて)に浮かびくる文様は陸封のかなしみ

 ※陸封は、哀しいものです。直接歌の中には詠まれていませんが、誰もが自分に陸封された何かを感じているのかもしれません。

〔冨樫由美子〕
大空を雲が流れてゆく真昼 いま大陸は移動してゐる
http://blog.goo.ne.jp/barairo2005-hibi/

 ※ゆっくりと流れていく雲。それよりも、ずっとゆっくりと移動していく大陸。上の句と下の句が微妙に良いバランスにあるのでしょう。とても好きになった歌の一つです。

〔森屋めぐみ〕
陸ガメがのそりのそりとリビングを横切ってゆく春を求めて

 ※「リビング」の勝利ですよね。おそらく、ご主人だったり恋人だったり、誰かを「陸ガメ」に例えたのではないか。しかしその例えが想像上では現実になり、それを短歌にした時に「平原を横切って」では弱い。そこで「リビング」なら・・・。みたいに、製作過程を勝手に想像してしまいました。

〔林 ゆみ〕
走る跳ぶ投げる羽ばたく陸上部 女子マネージャー募集中です
http://yumi.myfws.com/

 ※この青春の感じ、僕は好きです。

〔兵庫ユカ〕
大阪を脱がされる もう離陸している恐ろしいおそろしいゆめ
http://www.d3.dion.ne.jp/~y_hyogo/

 ※離陸の時に見る夢は、恐ろしい。それにしても「大阪を脱がされる」、どんな夢なのか、とにかく恐ろしい。

〔矢野佳津〕
恐竜の背中のごとくゆれながら天王寺駅前の陸橋

 ※最初読んだ時には「恐竜の背中」の揺れ具合を知っているのか? と思ったのですが、考えてみると僕は「天王寺駅前の陸橋」を、「恐竜の背中」と同じくらい知りません。だから、そうだといわれれば、そうなのです。詠んだ者勝ちの力業です。
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2005年11月05日

「016:たそがれ」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔白玉だんご〕
すれ違う自転車われのライト見てライトを点すたそがれの道
http://sdango.hp.infoseek.co.jp/

 ※すれ違う自転車の人はライトを点けた時はじめて、「たそがれ」に気がついたのでしょう。同じ一つの「たそがれ」なのに・・・。

〔橘 みちよ〕
口ずさむ「夕暮れ時はさみしさう」たそがれちやだめ灯りをつけむ

 ※この歌が本会場に書かれた日付が3月11日でした。この翌日に渋谷公会堂でNSPのコンサートが行われ、さらに翌々日に天野滋さんは入院しました。そして7月に逝去。もちろん3月11日には天野さんはご存命だったのですが、今読むと「たそがれちやだめ灯りをつけむ」が重く心に響きます。

〔梶原さい子〕
汚きを流しやるため袖口が濡れて厨はたそがれの島

 ※僕には分かりきれない歌ですが、結句の「島」に捕まってしまいました。

〔海神いさな。〕
こわれゆくあたしをだいてなきました たそがれのなかできみはまるごと
http://www.geocities.jp/isanajpjp/

 ※おそらくは、抱かれている「あたし」も「まるごと」。そして抱いている「きみ」も「まるごと」、「たそがれ」に抱かれているのでしょう。その連鎖の拡がりが、美しいです。

〔桜井凛香〕
たそがれに色づく花もうつくしく いよいよ華やぐ生の悦び
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Himawari/2104/

 ※下の句が良いです。読まれた方に凛然を感じました。
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2005年11月04日

「015:友」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔17番〕
薄紅の便箋にペン走らせて友に手紙(ふみ)書く指は冷たし

 ※指は冷たい。でもその分、心が温かいことを願って読み直しました。

〔愛観〕
似たような道を歩んでいる友が少し煙たい土曜日の午後
http://ami.lovesick.jp/papillon/

 ※この感じ、とてもよく分かります。多くの人が共感する内容を、独自の結句に収めたことが見事だと思います。

〔ハナ〕
お弁当一緒に食べるためにだけ友達になる4月始まる
http://www14.plala.or.jp/nemu31/

 ※先の「主義」のところの〔村本希理子〕さんの歌と同様に、います、こんな学生達が。

〔岩波ラスミチ〕
シゲルくん(3歳)の夢は何故か「猟友会に入る」なんですよ。
http://tanka.exblog.jp/

 ※シゲルくんは、猟をしたいのか、猟をする人達の中に入りたいのか、あるいは単に鉄砲を撃ちたいのか。いずれにしても、頑張れ、シゲルくん。

〔みずき〕
友情に変はる乾杯Oh!チェリオ!父の許さぬ結婚だつた

 ※友情に変ることができたのですね。友情という未来に乾杯しながら、許されなかった過去も詠み込まれていて、歌が深まっていくようです。

〔すずめ〕
歌原に集う縁の糸の先互い師となる友のあれかし
http://sun.ap.teacup.com/crow/

 ※「推敲」の故事の二人を思いました。歌を詠むという行為の一つの意味が、歌われているようです。

〔車前子〕
日に一度服従訓練うける犬傍らに置き親友と呼ぶ

 ※認めたくないけれど、「友」の正体であるような気もします。ここまで看破し歌いきる力を、羨ましく思います。
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「014:主義」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔葛城〕
主義主張論ぜば寒し唇の裂けて滲める血のほろ苦き
http://tamagaki.hp.infoseek.co.jp

 ※今は、そのような時があったことを、ありがたく思っています。だから、結句が心にしみます。

〔村本希理子〕
 ともだちはクラス変はれば捨てる主義 びんに残つた《スコール》の泡
http://www.ob.aitai.ne.jp/~muramoto/

 ※学生を教えていると、本当にこんなふうに見える友達等をみます。

〔林義子〕
主義といえる堅固な主張も薄れきて家内安全平和を祈る

 ※主義主張を強く持っていた頃は、何よりも「祈る」ということが少なかったように思います。薄れた主義と「祈り」のバランスが、歌の中で絶妙だと思います。

〔香山凛志〕
ぼくたちはこんなに資本主義なのに幸せばかり欲しがっている

 ※箴言です。結句のさばき方が、見事と思います。
 

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2005年11月03日

「013:焦」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔落合葉〕
一瞬で焦土と化して癒えぬまま今も千もの鶴がないても

 ※「一」と「千」の対比。数値としてなら「千」の方が大きい。しかし、質としては「千」は沢山、「一」はすべて。ベルクソンの哲学書のようです。もちろん、そんなことは別にして、心に響き、残る歌です。

〔落合朱美〕
焦らしたり縋ってみたりと駆け引きす我の瞳と君の指先
http://www4.ocn.ne.jp/~siesta07/

 ※「瞳」と「指先」。これはもう、「瞳」の勝ちでしょう。つまり、僕はいつも負けているのです。

〔斉藤そよ〕
焦点があうまで呼吸とめている 過不足のない今をとどめる
http://www003.upp.so-net.ne.jp/capverses/

 ※焦点を合わせるその瞬間の緊張を、見事に詠んでいると思います。共感です。

〔和良珠子〕
触れるものすべてに焦れて破壊した時代もあって いま子の爪を切る

 ※今でも、自分の手につく爪の跡。いつか、「いま子の爪を切る」時を迎えたいです。それはまず、僕もこんな強さと優しさを身につけることからなのでしょう。

〔足立尚計〕
ドロドロの家具焼く野火に新婚の思い出もまた焦がしつつおり

 ※この一首だけ取り上げて、分かってもらえるでしょうか。いや、きっと分かるに違いありません。100首を一つのテーマで詠み切ったその中で、これは特に心に残った一首です。題詠マラソンに参加していなかった方は、どうぞ、上記のURLで本会場に行って、この人の名前を入力して検索してみてください。そして100首をお読みください。
posted by 本読人 at 00:13| Comment(4) | TrackBack(0) | 題詠マラソン2005感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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