2005年11月03日

「011:都」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔有田里絵〕
都会には都会の闇があることに気付き始める終電の後

 ※田舎から出てきて、空を見上げることが多くなった頃がイメージされました。

〔ハナ〕
かあさんの手紙のせいで重くなる東京都指定生ごみ袋
http://www14.plala.or.jp/nemu31/

 ※「生ごみ袋」が重くなるような文面が、思い浮かびます。

〔望月暢孝〕
田舎出の少年の脳にこびり付きし都会の犬のあわれな交尾

 ※犬の交尾に、田舎と都会の違いを感じる感性。そしてそれが少年の脳にこびりつくということ。この少年の都会でのこれからが思われます。

〔ジテンふみお〕
それぞれの都合を乗せて地下鉄は定刻に出る ぼくは乗らない

 ※乗らない者には乗らない者の都合があって、しょせん地下鉄は乗らない者の都合は乗せられないのだ。そう思いたい。悲しさと強さの入り交じる歌です。

〔みうらしんじ〕
♪とんぼ/長渕剛
しあわせのとんぼが笑う東京でひとり気を吐く石原都知事
http://www.mnet.ne.jp/~miusin/

 ※おーい、山田くん。座布団一枚持ってきて!

〔のぶれば〕
ギロチンを落としたような都庁舎を中学生らが口開けて見ゆ

 ※上の句が強烈です。これから落ちるのではなく、落ちてしまってできた都庁舎なのですね。

〔本田瑞穂〕
あつまってきたひとびとを弔ってまたあつまって都は続く
http://singasong.sunnyday.jp/

 ※偶然ですが、〔みうらしんじ〕さんのところから、連句のようになっています。都内在住ではない僕ですが、僕もあつまり、弔い、弔われる一人であることは間違いありません。重い歌です。

〔紺乃卓海〕
夕刻の首都は微熱を帯び始め ぱちんぱちんと割れる風船
http://www.geocities.jp/xmqds750/

 ※「ぱちんぱちん」と割れる音は、自分の中から聞えてきます。


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2005年11月02日

「短歌という爆弾」穂村弘

題詠マラソン2005企画中ということで、なるほど! と思った、歌人になるためのレシピ本? を紹介します。
「短歌という爆弾」 まず、このタイトルが素晴らしいです。僕はどちらかというと「短歌」よりは「短説」の方にを時間を費やしていますが、「短説という爆弾」とは宣言できずにいます。
歌人を目指す人だけではなく、あるいは短歌を始めたい人だけでもなく、別のジャンルの文学や表現に向かっている人達にもお薦めです。座布団一枚、の面白さです。
短歌という爆弾
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同じ作者の最新刊を探していたところ、「短歌はじめました」を見つけました。副題は「百万人の短歌入門」、角川文庫ソフィアです。これは穂村弘さんと東直子さんと沢田康彦さんとの共著になっています。まだ読んでいないのでわかりませんが、同じ三人で「短歌があるじゃないか」という本が、やはり角川からでています。それの文庫化なのでしょうか? 謎です。何が不思議って、「短歌があるじゃないか」の方は副題が「一億人の短歌入門」なんですよ。普通、低価格の文庫の方が「一億人・・・」だと思うのですが・・・。まったく別の本なのかもしれない・・・。うーん・・・。
短歌はじめました。
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「010:線路」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔謎彦〕
線路より999(スリーナイン)を解きはなつところ「つ」の字に裁たれてありき
http://ginga999.shogakukan.co.jp/99_33/image/g33028.jpg

 ※あぁ、これから先、999を見るたびにあそこが「つ」の字に見えてしまう。

〔ぴいちゃん〕
ろうせきで描いた線路に子等はなく夕陽と蝶がたわむれており

 ※この線路は廃線になってしまったのでしょうか? それとも明日にはまた、始発が走り出すのでしょうか?

〔小林成子〕
廃線の線路を覆う荒草のすがすがとして空に向きたつ

 ※地を這う線路に、スクッと立つ荒草。直線の交わりが潔いです。

〔林 ゆみ〕
真夜中に線路を守る男らの砂利ふむ音が遠く聞こえる
http://yumi.myfws.com/

 ※この着眼点は見事です。高校の先輩を一人、思い出しました。

〔佐藤弓生〕
どれほどの会話が風になったろう道路と線路まじわるところ
http://homepage3.nifty.com/annabel/

 ※踏み切りで待つ間の会話。走り去る電車がそれをかみ砕いて風にする。情景が、よく浮かびます。

〔久野はすみ〕
廃線となりし線路をゆく声は誰のものでもないと雲雀が
http://hasumi.exblog.jp/

 ※「雲雀」が効いています。
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「009:眠」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔春畑 茜〕
眠りよりふたたび眠るまでの間を時にゆめみるごとくあゆめる
http://blog.goo.ne.jp/haruhatakou/

 ※長閑なような、恐いような。いずれにしても、共感します。

〔つきみ〕
悪あがき頬にごはんを詰めこんで椀を離さず眠りこける子
http://www.webspace.ne.jp/rental/tree_bbs/bbs.php?pid

 ※そうか、あれは「悪あがき」だったんだ。「眠りこける」という言葉が、この歌の中では素敵に響いています。

〔内田かおり〕
数え過ぎた羊を戻す柵の中眠れぬ眼は狼になる

 ※「羊を戻す」発想が新鮮です。

〔萱野芙蓉〕
逢ふだらう 眠りの水の襞のかげ十年前と変はらぬ夫に
http://www5.ocn.ne.jp/~willows/z_willows_anex_index.htm

 ※その時の妻も十年前と変わらぬ姿、なのだろうか。なにか残酷な匂いを感じました。

〔新藤伊織〕
泣いたって眠りにつくまで許さない甘いお薬のんで寝ようね
http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

 ※わけあって一緒に暮らす娘が、脳波をとるときには睡眠薬の力を借ります。でも、力不足の睡眠薬はいつも3回おかわりされます。

〔近藤かすみ〕
触れられてその身を閉づる眠り草ひと去りしのち身をひらきをり
http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

 ※良い歌です。その一言です。

〔バンドヲミキコ〕
したあとの眠りのなかできょうだいになりたかったんだって思った

 ※・・・・・・。
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「008:鞄」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔みやちせつこ〕
新しき鞄を左の手に持ちて右手で空を押し上げてみる

 ※歳をとってからは、訳もなく鞄を新調するようになりました。若い頃は節目節目に新調していたような気がします。だからきっと、片手は空を押し上げる手でした。

〔究峰〕
停車場で乙女の群れが遊びおり横に置かれし緑の鞄
http://www.pluto.dti.ne.jp/~ohto/waka/wakaindex.html

 ※「停車場」「乙女の群れ」に、「緑の鞄」がよかったです。選ばれた言葉の調和が素敵な歌です。「緑の鞄」の中身は、なんなのだろう。

〔月読亭羽音〕
敬愛する詩人であり、見習うべき唄歌いである高田渡さん。逝去。
(「自衛隊に入ろう」などで知られるフォーク歌手の高田渡さんが16日未明、入院先の病院で死去した。死因は不明。時事的な話題を皮肉ったり現代詩をメロディーに乗せるなど、批評精神に富んだ作風。「日本の吟遊詩人」とも呼ばれた)

鞄には高田渡を詰め込んでそんな柄の旅暮らしがあった
http://d.hatena.ne.jp/ikinapage

 ※高田渡さんには、文庫本のように鞄に詰め込めそうな趣がありました。(合掌)

〔しのざき香澄〕
いいこととわるいことまざらぬように鞄のなかはしきられている
http://kasumi25.jugem.cc/

 ※そうか、そのためのしきりなのか! あらためて自分の鞄を覗いてみると、たしかにそんな気がしてきます。
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2005年11月01日

「007:発見」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔橘 みちよ〕
超音波(エコー)画面に映る子の影まねくやうわが胎にきみを発見せし日

 ※題詠マラソンをやめられない理由の一つは、自分では分からなかったことや、思いに出会えるからです。この歌のように。

〔五十嵐きよみ〕
神さまに目隠しされて人間が発見できないいくつかのこと
http://yaplog.jp/noma-iga/

 ※題詠マラソンでみなさんの歌を鑑賞していると、目隠しの向こうから、沢山の秘密が七五調で聞えてくる気がします。それでもいつも、「いくつか」わかりきれないことがあるのでしょう。

〔華音〕
ほんとうは誰も愛してないんだと雑踏の中に発見する春

 ※この「春」は、たぶんとても小さいけれど、思いっきり暖かい「春」のようです。

〔睡蓮。〕
昨夜から行方不明の地図帳がおもちゃ箱にて発見される
http://www.geocities.jp/suiren_58/

 ※「地図帳」にとっては、一番正しい場所にあった気がする、面白さ。

〔百田きりん〕
輝けるあすを発見したくってまるめてのぞく卒業証書
http://blog.livedoor.jp/kirin100/

 ※僕もたぶん、何気なくやったような気がする動作です。そんな意味があったのですね。

〔福田睦美〕
をさなごに映る世界は発見の溢れてゐるか頬染まりゆく

 ※いつか、こんな歌を詠めるようになりたいですね。とりあえず、こうしたことに気がつく視線を持ちたいです。
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「006:時」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔蜂田 聞〕
助手席に時を過ごせる楽しみを坂多きこの街で知りたり

 ※運転席専門なので、「坂多き」街は苦手です。それだけに新鮮でした。

〔星川郁乃〕
眠れないひとをあつめて25時またいくつもの窓はひらいて
http://www.geocities.co.jp/polaris4803/

 ※そう、きっとあるんですよ、25時。

〔那賀神 哲〕
その時が 来ないようにと 神様に 祈る毎日 病む人のそば
http://agamoumamani2.at.webry.info/

 ※何人もの人を送ってきましたが、その度に思うことです。「その時」を「毎日」祈るということの真実。

〔岡村知昭〕
堂々と戦争に行くくらいなら大きな鳩時計になりたい

 ※「鳩」になると言い切れないところに、「戦争に行くくらいなら」のリアリティを感じます。

〔春村蓬〕
飛ぶ鳥の一瞬の影、屋久杉の千年の影、時は影をひく

 ※僕の影は、きっと一瞬よりも長く、千年よりも短く。どんな影がひかれるのだろう。

〔橘真知子〕
五分ほど先をしらせる時計だけ五分未来が見えてゐるのか
http://xmt.hp.infoseek.co.jp/

 ※うーん、「見えてゐる」ことになるのかもしれない・・・。

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「005:サラダ」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔謎野髭男〕
アメリカは坩堝(るつぼ)ではない人間のサラダボールだ旅の実感

 ※観光でしか行ったことがないのですが、なんとなく共感しました。

〔風花〕
貝殻に果実サラダを盛りながら子が戯れる浜辺眺める

 ※「貝殻」と「浜辺」。しかし盛るのは「果実サラダ」。子に視線を送る親の喜びのようなものを強く感じました。

〔五十嵐きよみ〕
サラダしか食べなくなった友だちと今日、将来のことを話した
http://yaplog.jp/noma-iga/

 ※「サラダしか食べなくなった友だち」は、なんとなく一番「将来のことを」話したくない友達かも。話している間も、サラダをモグモグ・・・。

〔内田かおり〕
爽やかに添えられているサラダなら尖ったフォークでゆっくり食べる

 ※この感覚、ちょっとわかる気がします。

〔近藤かすみ〕
遥かなる近江より来し真水にていま甦る海藻サラダ
http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

 ※「サラダ」というお題で、こんなに大きな歌になるなんて・・・。凄いです。

〔森川菜月〕
残飯の中でサラダはそれぞれの生の野菜にもどって腐る
http://www.geocities.jp/kikokiko703/index.html

 ※自分も末路においては「生」に戻っていたいと思いました。残飯の中で腐りつつも、潔さを感じます。 
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「004:淡」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔さよこ〕
淡き日をせなに集めて軒下の野良猫二匹まるく光れり

 ※「淡き日」を「光」にかえる、猫、恐るべし。なんとなくですが、この二匹の野良猫は程よい距離で丸くなっているように思います。

〔阿部定一郎〕
アスファルト上で斃れた犬の死を淡雪がまだ止揚できない

 ※一つの歌の中に、淡雪が犬を覆い隠すのを待つ、ゆっくりとした時間を感じました。

〔やまもとまき〕
淡々と別れを告げられその後でつまらない恋だったと思う
http://www7.plala.or.jp/laurie/

 ※七五調で声に出すと、「だったと思う」の前で切れるのが切ないです。

〔瀧村小奈生〕
ギタリスト見つめる少女ひざを抱え淡い耳たぶ透けてゆく夜

 ※地元のJRの駅のデッキで、夜毎にストリート・ミュージシャンが演奏しています。そして、それを見ている少女らがいて、それらを見ている大人がいます。

〔青山みのり〕
戦争で母を失うお話を間違えず読む淡々と読む
http://minorimay.exblog.jp/

 ※そして今も、「間違えずに」「淡々と」新しい戦争へのシナリオが読まれているのかもしれません。重い歌です。

〔枝川由佳〕
淡々と生まれる言葉青空に積乱雲を呼び寄せている
http://blog.livedoor.jp/catjun/

 ※凄いイメージだと思います。この積乱雲がやがて雨を降らし、カミナリを響かせ。人々はそれを体験して、また淡々と言葉を生むのでしょう。

〔千坂麻緒〕
淡水を選んで棲んだ魚には誰にも言えぬ秘密があった
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/3750/

 ※考えたこともありませんでした。でも、読んでみると納得です。そんな気がします。
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2005年10月31日

「003:つぼみ」題詠マラソン2005

今年も行われました、ネット短歌「題詠マラソン2005」。3〜10月で100のお題を詠もうという歌会です。とりあえず11月いっぱいを目標に、そこで出会った「気に入った歌」「気になる歌」をお題の順に紹介します。「題詠マラソン」の詳細は、下記のURLでご覧ください。
http://www.sweetswan.com/daiei-2005/

〔はぼき〕
こじ開けてしまえば元に戻らないつぼみのごときわがこころかな

 ※子供の頃、つぼみをこじ開けてしまった時の、言い知れぬ罪悪感を思い出しました。

〔ピッピ〕
大きな手握り合格番号を確かめる君のつぼみよ開け
http://roo.to/x_x_x/

 ※「大きな手」なのに、それは「つぼみ」。開くことを願う人の愛情を感じます。

〔伊波虎英〕
日曜の(チャペルで祈る人たちのつぼみのやうな手がひらく)朝
http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/

 ※チャペルそのものが信仰する人達にとっての、巨大な「つぼみ」の場なのかもしれません。いろいろ考えさせられました。

〔田丸まひる〕
乳白のつぼみを間引く 誰にでも愛されているなんて思うな
http://replicaprince.easter.ne.jp/

 ※とりあえず、今日まで間引かれていない僕。

〔大江ケンジ〕
明け方につぼみの夢でうなされる咲いたら負けのような気がする
http://www.geocities.jp/kjkjkj56jp/

 ※かといって、咲かなければ勝ちなわけでもない。そこまで孕んでいる歌なのでしょう。

〔千坂麻緒〕
薔薇の木のつぼみを守る透明な小さな星のガラスのケース
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/3750/

 ※個人的に、この歌は取らないわけにはいきません。「透明な」と「ガラスの」の間に「小さな星の」が入っていることが、僕は好きです。
posted by 本読人 at 21:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 題詠マラソン2005感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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